以前、「座り過ぎると早死にする」ということを話したのですが、今回は逆に、
立つことで得られるメリットついて調べてみました。
スタンディングデスクを使って立ちながら仕事や勉強をすると、
- 集中力・注意力・仕事効率・生産性が向上し、
- 頭も良くなって
- 老化も防げる!
という素晴らしい効果が得られることが分かったので、順に説明していこうと思います!
とりあえず、今すぐ立ち上がろう!
スタンディングデスクで得られるメリット
では、立つことで実際にどんな効果を得ることができるのか、まとめていこうと思います。
集中力が上がる
2014年に行われたA&M ヘルス・サイエンス・センターによる研究で、子どもたちにスタンディングデスクで授業を受けさせたところ、集中力がかなりあがったことが分かっています。
この研究は7〜10歳の小学生282人を対象にしたもので、生徒たちを
- イスに座って授業を行う
- スタンディングデスクで授業を行う
という2パターンに分け、勉強を進めさせました。
その結果、スタンディングデスクを使って立ったまま授業を行った子どもは、
- 作業の達成度が12%向上
- 先生の質問に手をあげる回数が増えた
- ディスカッションへ積極的に参加するようになった
- 無駄話(私語)が減少した
という傾向が見られたそうです。
『達成度が12%向上』というのは、集中力の持続時間が1時間あたり7分ほど伸びた計算になるそうで、これは座ったままで授業を行う際の単調さがなくなったことによるものだと考えられているそうです。
つまり、座るより立った方がやる気が増し、頭が働くというのです。
頭が良くなる
2015年に行われたテキサスA&M大学での研究によると、スタンディングデスクを使うと頭が良くなるというデータも出ています。
この実験では、34人の高校生を対象に24週間、スタンディングデスクを使用して立ったまま勉強を続けてもらっています。
その後、全員に認知テストを行った時に特殊な装置で脳の働きを調べたところ、立って勉強していた学生たちは、
- 前頭葉の血流が良くなった
- 脳の実行機能が大幅に向上した
- ワーキングメモリも大幅に改善した
ということが分かったのです。
仕事の生産性が上がる
スタンディングデスクをどの程度使えば良いのかという2015年に行われたテキサス大学の研究がありました。
コールセンターの従業員167名を対象に、6カ月後もの間、
- 1日中ずっと座って作業をする
- 立ったり座ったりしながら作業をする(従業員の好きなタイミングで)
という2つのグループにわけ、新規客の成約率を調べたものです。
この結果、
立ったり座ったりを自分で調節したグループは生産性(成約率)が46%も上がったのです。
細かいデータ的には、「座る時間を1日あたり1時間36分減らす」と生産性が上がったそうです。
1日中立ったままじゃなくてもいいんだね。
ただし、生産性が上がるまでは時間がかかる
この研究結果では、注意しなければならない点があります。
実は、スタンディングデスクを使い始めても最初の1カ月は生産性は上がらず、
2カ月目になって急に生産性が上がり始めたそうです。
座り続けることに慣れてしまった体がスタンディングデスクに適応するのに、およそ1ヶ月ほどかかるのですね。
使い始めてすぐに効果が実感できないからといって、また座り続ける生活に戻らないように注意したいね。
体の痛みや不快感が減少
先程のコールセンターでの研究では、スタンディングデスクを使って座ったり立ったりを調節して作業していたグループの人たちのうち、
75%の人が身体の痛みや不快感が減ったと答えた
そうです。これは実験終了後、つまりスタンディングデスクを使用しはじめて6ヶ月後のデータです。
座りすぎると腰痛や肩こりに悩まされますが、それらの症状がかなり減ったそうです。
老化防止
2014年のスウェーデンのウプサラ大学の実験 によると、座ったままの生活をしている101人の男女を対象に、テロメアの長さを調べたところ、
座っている時間が短い人ほどテロメアが長いことがわかったそうです。
ちなみに、テロメアとは染色体の端っこを保護する役割をもつ部分のことで、テロメアが長いほど老化しにくいと言われています。
注意力の向上
2017年のアリエル大学の実験では、立つことで注意力が向上することも分かっています。
これは50人の学生を対象にしたもので、立った状態のグループと、座った状態のグループに分け、ストループテスト(注意力を測るためのテスト)をやってもらいました。
すると、一つの単語を読み上げるのにかかった平均時間が、
- 立った状態=100ミリ秒
- 座った状態=120ミリ秒
という結果になったそうです。
時間的にはたった20ミリ秒の差ですが、このストロープテストとしてはけっこうな違いのようです。
なぜ、立つと生産性が上がるのか
スタンディングデスクを使って、立つ時間を増やすことで様々な効果が得られることは分かっていただけたかと思います。
では、なぜそのような効果が得られるのでしょうか?
実は、まだはっきりとしたことは分かっていないようです。
とはいえ、座りすぎが最悪すぎて「座らないこと」でその悪影響が改善されているというのは間違いないでしょう。
座っていることがダメすぎて、比較したらそりゃ立つほうがいいよねという話…笑
一応、先程紹介したストループテストでの実験を行っていた研究では、注意力や生産性が上がる理由についても調べてくれていまして、
立っていることで軽度のストレスがかかった状態になり、それによって脳が刺激されて認知機能も改善するのではないか
と結論付けています。
人が一定の集中力を保つには、脳が緊張しすぎてもリラックスしすぎてもダメで、適度なストレスが必要だと脳科学的に分かっているので、おそらくその適度なストレスが立つことで得られるのではないか、というのです。
おすすめのスタンディングデスク
ここまでスタンディングデスク、立って仕事をすることの良さについてひたすら述べてきましたが、実際に私もスタンディングデスクはかなり愛用しています。
この横幅70cmのものを使っています(色はブラックです)。
PCは MacBook Pro 15インチ を使っており、マウスはロジクールのワイヤレストラックボールなので70cm幅のデスクでも快適に作業できています。(普通のマウスでも十分な幅はあります)
モニターをそのまま置くスペースはないので、モニターアームを取り付けてデュアルディスプレイにしています。
まとめ:立って仕事しよう
スタンディングデスクを使うことによって、以下のような素晴らしい効果が見られることが分かりました。
- 集中力・勉強効率が上がる
- 頭が良くなる
- 仕事の生産性が上がる(ただし、1ヶ月経ってから)
- 体の痛みや不快感が減少
- 老化防止
- 注意力向上
これらの理由についてはまだはっきりとは分かってませんが、
- 座り続けることがそもそも最悪すぎて比較すればよく見える
- 立つことで適度なストレスがかかり、脳機能が改善する
ということは少なくとも言えそうです。