座りすぎると早死にする!?心身への悪影響や対策方法まとめ【脱・デスクワーク】

ここ数年話題になっている、「座りすぎると寿命が縮む」という話を知っていますか?

実は座りすぎによる影響についての論文はたくさん出ていまして、今回はその「座りすぎ」について、詳しく調べてみました。

先に、座りすぎるとどうなるかをざっくり説明しておくと、

  • 死亡率アップ
  • 肥満につながる
  • 善玉コレステロールの数値が下がる
  • 糖尿病リスクが上昇
  • 脳機能の低下
  • 鬱傾向の増加

少なくともこれらの悪影響を受けてしまうことがわかっています。

ねこた

なかなか…やばいね…。

すでに座りすぎるとヤバイことはお分かりいただけたかと思いますが、今回は、

  • 座りすぎるとどうなるのか
  • なぜ座り過ぎがよくないのか
  • 対策方法

についてまとめていこうと思います。

くまやま

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目次

座り過ぎによる体への悪影響まとめ

「座りっぱなしが寿命を縮める理由」を描いた、『Sitting Down is Killing You』というインフォグラフィックが非常に有名なので、まずはそちらを見てもらってもいいかと思います。

Sitting Down is Killing You 翻訳版
Sitting Down is Killing You 翻訳版

この『Sitting Down is Killing You』の内容をざっくりと羅列すると、

  • 1日6時間以上座っている人は3時間未満の人に比べ、15年以内の死亡率が40%アップ
  • 足の筋肉の電気信号がストップ
  • 消費カロリーが著しく低下
  • リパーゼ(脂肪を溶かす酵素)が90%減少
  • 座ってから2時間で善玉コレステロールの数値が20%低下
  • 座ってから24時間でインスリン抵抗性が20%も上昇し、糖尿病リスクが上昇

画像の最後には参考論文が掲載されているので、信憑性もかなり高い情報だと思われます。

このインフォグラフィックの内容だけまとめても仕方がないので、他の研究もいくつかまとめていきます。

死亡リスクの上昇

2012年にシドニー大学が行った研究によると、1日に11時間以上座っている人は、4時間未満の人に比べて3年以内に死亡するリスクが40%も高くなるというデータが出たそうです。(参考

その他にも、2018年に『American Journal of Epidemiology』にて発表された論文によると、

1日に6時間以上座って過ごす人は、3時間未満の人と比べて全死亡リスクが平均19%高かった

ということが判明しています。

がん・心疾患・脳卒中・糖尿病・腎疾患・肺疾患・肝疾患・消化器疾患など、14の死因による死亡リスクの上昇が見られたというのです。

さらに、ケンブリッジ大学が2016年に発表したメタ分析論文によると、

  • 日頃ほとんど運動しない人は、1日の座り時間が4時間を超えると早死にリスクが高まっていく
  • 日頃ほとんど運動しない人は、1日の座り時間が8時間を超えると、4時間未満の人にくらべて死亡率が27%高くなる
くまやま

どれだけ体に悪いか、これだけでも十分伝わってくるね…。

鬱傾向・不安の上昇

座りすぎは体に悪いだけでなく、精神面にも悪影響を及ぼすことも分かっています。
2013年に行われたタスマニア大学での実験によると、

1日に約6時間以上イスに座ると鬱傾向や不安レベルがアップすることが判明しています。
さらに、いくら運動をしても座り過ぎによる精神的ダメージは改善しなかったそうです。

ただし、3時間未満であれば精神面への影響はほぼないとのことです。

女性のほうが精神面への影響はより顕著に見られたそうなので、特に注意した方がいいかもしれませんね。

脳機能が低下する

座り過ぎによって脳にも悪影響が出てしまいます。

これは45〜75歳の男女35人を対象にしたカリフォルニア大学の実験によると、

内側側頭葉という海馬などを含む脳のエリアが、座る時間が長いほど薄くなってしまうことが分かり、
普段からよく運動をしている人でもこの脳への悪影響が相殺できないことも判明しました。

ちなみに、アルツハイマーの患者さんなども、この内側側頭葉という部分が薄くなってしまう傾向にあるそうです。

ねこた

え、脳が小さくなっていくのは怖すぎるよ…

だらっとテレビを見ているだけだとさらにヤバイ

デスクワークで仕事をしているだけでもここまで紹介したような悪影響があるのに、ただダラダラと、座ってテレビを見ているだけの人はもっとヤバイです。

1日に3時間以上座ってテレビを見ている人は、心臓病で死ぬリスクが64%も高くなり、さらに1時間座る時間が増えるごとに11%ずつ死亡率が上昇していきます。

さらに、死亡リスクの上昇についてすでに紹介した、ケンブリッジ大学のメタ分析論文によると、

日頃ほとんど運動しない人が、1日に5時間以上テレビを見る人は、1時間未満の人にくらべて死亡率が5倍も高くなるということも分かっています。

なぜ座るだけで人はこんなにダメージを受けるのか

人間の進化の過程において『足』の役割が非常に重要だったため、そもそも座り続けられるような体に進化していないのだとか。

血流が悪くなる

座っていると脚の筋肉の電気信号がストップします。
その間、「第二の心臓」とも言われるふくらはぎの活動も停止状態になるため、血液を心臓に押し戻すポンプの働きが停止してしまいます。

つまり、全身の血の流れが悪くなり、酸素や栄養が行き渡らなくなってしまうのです。

さらに、この状態が長引くほど『ドロドロ血』と言われる状態になり、がんを含むあらゆる病気を引き起こす原因となる血栓ができやすくなります。

エネルギー代謝の低下

座っていることで、全身の筋肉の活動が低下します。
特に、人体で最も大きい「大腿四頭筋」を含む太ももの筋肉が活動を停止することで、エネルギー代謝がかなり悪化します。

エネルギー代謝が悪くなると、糖の代謝に関わるインスリンや脂肪を分解するリパーゼの分泌量が低下します。

その結果、肥満や糖尿病になりやすくなってしまうのです。

座りすぎで寿命が縮まないための対策方法

ここまで、座り過ぎによる悪影響をまとめてきましたが、どうしてもデスクワークで日中の座る時間が長くなってしまう人のために、対策方法を紹介していきます。

運動する

Sitting Down is Killing You』の元にもなっている2009年の研究によると、運動をして食生活を改善しても、座り続けることのダメージはカバーできないとの結論がでていましたが、

ケンブリッジ大学が2016年に発表した論文(死亡リスクの話でも紹介済)によると、どうやらそんなことはないみたいです。

この論文は、過去16件の観察研究のデータを調べ直したメタ分析論文となっていて、科学的な精度はかなり高めで信頼できるデータとなっています。

具体的には、約100万人の活動をチェックした実験となっており、座り時間と健康へのダメージの関係性を比較したものです。(座り時間の中には、デスクワーク・ドライブ・テレビ視聴などが含まれています。)

適切な運動によって死亡率は59%減少!

この研究結果によると、

座り時間が4時間以上の人でも、適切な運動によって死亡率は59%も下がるということが分かったのです。

ちなみに、この「適切な運動」とは、「早歩き程度の運動を1日60〜75分ぐらい」のことだそうです。

1日に20〜30分の早歩きでもそれなりに効果はあるようなので、まずはできる範囲で、運動する習慣を身に付けましょう!

ただし!研究者いわく、運動によって、座りすぎによる早期死亡リスクは軽減できるが、テレビ視聴によるダメージは軽減できないとのこと。

くまやま

この研究はテレビについて言及しているけれど、座ってだらだらスマホ触ることもおそらく軽減できない部類のダメージなんじゃないかな。

30分毎に2分だけ体を動す

「1日1時間の運動はきついよ…」と思ったそこのあなた。安心してください。
プリンスエドワード大学などによる2018の論文によると、30分毎に2分だけ体を動すことで座り過ぎのダメージを軽減できることが判明しています。

この論文もメタ分析論文になっており、過去のデータから質が高い44件をまとめたものです。

この論文によると、30分ごとに2分だけ立ち上がって軽く体を動かすことで体内の代謝が改善され、

  • 食後9時間まで、血中のインスリンの働きが改善し、グルコースなどの量が低下する
  • 食後12〜16時間まで、血中の中性脂肪が低下する

という効果が見られたそうです。

運動の内容や強度はまったく関係なく、その日の食事にも関係なく、高齢でも肥満の人でも同じように効果がったそうです。

くまやま

軽いストレッチやちょっとコンビニまで散歩をするだけでもいいんだね。

ねこた

これなら無理なくできそうだね。

ただし、この研究では血圧などははチェックしてないので、死亡率がどこまで下がるかなどは分かりません…。

貧乏ゆすり

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者が2016年に行った研究 によると、貧乏ゆすりも効果があるそうです。

1万人以上の女性に対して健康に関するアンケート調査を行ったところ、

1日に6時間ほど座っているが「貧乏ゆすりが多い」と答えた女性は、座ってる時間が1日に5時間以下の女性より37%も総死亡率は低かった

ことが分かったのです。 ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 効果があったのは貧乏ゆすりの回数が「多い」人のみ
  • 座り時間が1日に6時間以上の場合は貧乏ゆすりの効果はなかった

座り時間が1日6時間以下の人のみ、貧乏ゆすりをしまくるといいでしょう。

くまやま

周りの迷惑になるから、できれば他の対処法がいいけどね…笑

一番いいのは座る時間を減らすこと

対処法についてもまとめてみましたが、なんだかんだ言って一番いいのは、そもそも「座る時間を増やさない」ことです。

少しずつでいいので、座る時間を減らすように心がけてみましょう。

54カ国、約60万人のデータを使った2016年のサンパウロ大学による研究によると、

  • 1日の座り時間を30分減らすだけで総死亡率は0.6%下がる
  • 1日の座り時間を2時間減らすと、さらに総死亡率の下がり方は3倍になる

ということが分かっています。

できれば座り時間を3時間以下までに抑えることができればベストですが、まずは30分でもいいので座る時間を減らしてみましょう!

スタンディングデスクを導入しよう

会社勤務の人は難しいかもしれませんが、自宅で作業できる人はスタンディングデスクを購入することをオススメします!

ちなみに、私は以下のスタンディングデスクを使っています。

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幅100cmのタイプもありますが、70cmで十分かなと思います。
Mac Book Pro 15インチを使っていますが、サクサク作業できています。(ただし、デュアルディスプレイで作業するにモニターアームは設置しています。)

ねこた

スタンディングデスクって、高いよね…

くまやま

死亡リスクやその他の悪影響を考えたら、これくらいへっちゃらでしょう?
飲み会を数回我慢すればいいだけさ。

スタンディングデスクを採用する企業も増えてきているので、ダメ元で頼んでみるのもありかもしれませんね。

結論:座りすぎると寿命が縮む。立とう。

座りすぎは最悪ですね。

最後にもう一度今回のお話をおさらいしておくと、座り過ぎによる悪影響は次の通りでした。

  • 死亡率アップ
  • 肥満につながる
  • 善玉コレステロールの数値が下がる
  • 糖尿病リスクが上昇
  • 脳機能の低下
  • 鬱傾向の増加

そして、なぜこんなにも影響が出てしまうのかというと、血流や代謝の悪化が原因ではないかと考えられています。

対策方法としては1日1時間程度の運動や、30分ごとの細かなストレッチなどが有効ですが、

とりあえず、立とう。

これに尽きます。笑

立って仕事ができるように、スタンディングデスクの導入がかなりオススメです。

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