皆さんは、「手浴」を、ご存知でしょうか。
半身浴や足浴は聞いたことはあると思いますが、手浴(しゅよく)をご存知の方は、意外と少ないのではないでしょうか。
ここでは、手浴とは何か(読んで字のごとく手だけ入浴することなのですが)、手浴に期待される効果や手浴のポイントなどについて、ご紹介します。
手浴とは?
手浴とは、手をお湯に浸すことです。
しかし、ただお湯に浸し、手の汚れだけを落とすだけに行うものではありません。
暖かいお湯で手を洗うことで、手の血行を良くするとともに清潔を保持します。
もともとは、脳血管障害などにより身体に麻痺があって容易に入浴ができない患者さんに、お風呂に入ったのと同様にリラックス効果をもたらせる方法はないか?という観点から行われたものだったそうです。
手浴の効果とは?
では、続いて手浴の効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。
① 清潔保持
怪我や病気などにより、自分一人ではなかなか入浴できない場合、手や指の密着した部分が湿ったりして不衛生になります。
しかし、手欲によって、一番細菌と触れて汚れることの多い手を清潔に保つことができます。
② 入眠促進
私たちの体は、一度上昇した深部体温(体の中心部)が徐々に下がる時に眠気を感じる仕組みになっています。
手浴を行うことで、体の深部体温を上げ、眠りに入りやすくなると言われています。
③ リラックス効果
リラックス効果もあるようです。
手浴によって、緊張や怒りの気持ちを落ち着かせたり、副交感神経が優位になる傾向があるという研究結果があります。
また、爽快感がもたらせるという研究結果もあります。
手浴のポイントとは?
手浴を行う際は、以下の3つのポイントを意識するようにしましょう。
- お湯の温度は、38~43度
- 手浴の時間は、10分程度
- 手浴のタイミングは、食前や排せつ後
これらを意識することで、より効果を得られることができます。
手浴と組み合わせて相乗効果を得られること
手浴と組み合わせることで、温浴やメンタル面での相乗効果が期待できる方法をご紹介します。
① 手指の屈伸運動
温熱効果を促進する方法として、手指の屈伸運動がよいそうです。
お湯に加熱効果がある炭酸泉入浴剤を入れ、手指の屈伸運動を行った結果、深部体温の上昇がみられたという研究結果があります。
② アロマテラピー
リラックス効果を促進する方法として、アロマテラピーがよいそうです。
アロマテラピーは、植物由来の香りや有効成分を含む精油を使い、不調を抱える心身に癒しを提供したり、自然治癒を高めることなどを目的とした療法です。
手浴に使われるお湯の中に精油を入れることで、 相乗効果によってリラックス効果のアップが見込まれます。
まとめ
手浴は、温泉に入ったときのような幸福感も得られ、ストレスを解消し、気分も前向きになるともいわれています。
手欲によって看護師さんと患者さんとのコミュニケーションも円滑にとれるようになることも研究でわかっているので、メンタル面に良い影響を与えることは間違いないでしょう。
この機会に、ぜひ、手浴を試してみてください。