少し前からよく聞くようになった「仮想通貨」。今では様々な通貨が発行され、発行枚数や時価総額も、膨らみ続けています。
「仮想通貨、最近よく聞くけど、どういうもの?」「ちょっと始めてみたいけど、いまいち仕組みがわからない…。」といった方のために、仮想通貨について少し調べてみました。
仮想通貨とは?
そもそも、「仮想通貨」とはいったいどういうものなのでしょう?
実体がなくインターネット上に存在するお金
仮想通貨とは、インターネット上でデジタルデータとして存在し、硬貨やお札のような実体がなく実際に触れることのできない通貨です。
- インターネットを通じて物品やサービスの対価に使用することが出来る
- 中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在しない
- 専門の取引所を介して円やドル・ユーロなどの通貨と交換出来る
といった特徴を持ちます。
インターネットさえあれば、国境も関係なく世界のどこにいても使う事が出来るのです。
仮想通貨のメリット
仮想通貨が流行るということは、メリットがあるはずですよね。
そうなのです、仮想通貨には、円やドルといった現実の法定通貨と比べて優れたメリットが存在します。
いつでも、どこでも取引できる
インターネットを通じて利用できることから、利用する場所に限りはありません。
インターネットに通信できる環境さえあれば、どこでも取引可能です。
さらに、仮想通貨を使用すると、24時間365日休むことなく取引できます。
証券取引所での株式などの取引は、基本的に平日昼間だけしかできませんよね。
外国為替証拠金の取引も、一般的に日曜は休みとなってしまいます。
平日の昼間は普通は仕事に行き、夜や週末に取引の時間を割いて投資をするといったことも、仮想通貨なら可能です。
手数料が安い
現金での金融システムでは、預金者の引き出しに備えて多額の金額を用意する必要があるため、各地域に支店やATMなどの設備を整えておくことが必要です。
そのため、これまでの金融システムでは手数料が割高になっていましたが仮想通貨ではそれらの設備が必要ないので、手数料がほとんどかかりません。
特に海外送金の場合、一般の銀行が数千円程度の手数料が必要ですが、仮想通貨なら数百円の手数料のみで済みます。
素早く送金できる
銀行を通す必要がないので、送金がスピーディーにできます。
送金先の情報さえあれば、取引所を介して送金額を入力して相手先に送金できます。
銀行振込の場合だと、時間帯によって翌日の着金になってしまいますが、仮想通貨の場合は相手に直接送金するため、早ければ数十分程度で送ることができます。
少額でも投資できる
これは投資をしない人にはあまり魅力的ではないかもしれませんが、仮想通貨は、投資対象にもなっています。
需要と供給のバランスによって、市場価値が常に変動しているためです。
さまざまな仮想通貨が取引所で売買されていますが、その多くは最低取引価格が低くなっており、数百円から投資することもできます。
市場の将来性がある
日本では、仮想通貨はまだまだ一般に普及しているとはいえません。
しかし、メリットの多い仮想通貨には、非常に高い将来性があります。
実際、2016年にはすでに仮想通貨に関する法整備がなされており、2017年には資金決済法が改正され、仮想通貨法も追加されています。
近い将来、今の電子マネーのように仮想通貨が決済手段として認められ、当たり前に使う時代がやって来るでしょう。
そんな未来に備え、今のうちに仮想通貨を理解し、実際に使ってみることが重要なのです。
仮想通貨の仕組みとは?
さて、メリットが一通りわかったところで、もう少し踏み込んでいきましょう。
通貨とは本来、その価値の信用によって成り立ちます。
1万円札の紙としての価値はほとんどありませんが、1万円の商品と交換することができます。
これは、日本円の管理主体である日本銀行の信用によって価値が保証されているからです。
しかし、先ほど仮想通貨には、管理主体が存在しないと述べました。
ではなぜ、仮想通貨は通貨として成立しているのでしょうか?
それは、仮想通貨の概念を支える「ブロックチェーン」と呼ばれる仕組みを知る必要があります。
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンは「分散型台帳」とも呼ばれており、仮想通貨の取引情報がネットワーク上の台帳のようなものに分散、保管されています。
「トランザクション」と呼ばれる取引データが「ブロック」という単位でまとめられており、このブロックを繋げていく仕組みを「ブロックチェーン」と呼びます。
そして、この取引データの記録は、全てのネットワーク参加者に公開・共有される仕組みになっています。
ブロックチェーンのメリット
取引データを分散させ、共有することで、2つのメリットがあります。
ネットワークの一部でトラブルが起きても、システム全体は機能し続ける
例えば、ある銀行のサーバーが故障してしまうと、その銀行を通じた取引は一切できなくなります。
一方、ブロックチェーンでは分散管理されているため、一部のサーバーが故障したとしても、他のサーバーが取引情報を引き継ぐことができます。
データの記録が改ざんされにくい
一度ブロックチェーンに組み込まれた取引データを書き変えるためには、チェーンで繋がっているブロックも全て書き変える必要があります。
この繋がりにより、ブロックデータを改ざんすることはほぼ不可能と言われています。
仮想通貨の種類
最後に、仮想通貨にはどのような種類があるのか見ておきましょう。
「仮想通貨」と聞くと多くの方がBitcoin(ビットコイン)をイメージするかもしれません。
しかし、仮想通貨の種類は実は1,500~2,000種類ほどあると言われており、それらのビットコイン以外の仮想通貨をまとめて「アルトコイン」と呼びます。
ただし、アルトコインには脆弱性のあるものや詐欺コインも多いので、国内に上場している通貨だけで取引するのが安全です。
現在、日本の仮想通貨取引所に上場している仮想通貨は全部で14種類あります。
- Bitcoin – ビットコイン
- Ethereum – イーサリアム
- Bitcoin Cash – ビットコインキャッシュ
- Ripple – リップル
- NEM – ネム
- Litecoin – ライトコイン
- DASH – ダッシュ
- Monero – モネロ
- Ether Classic – イーサリアムクラシック
- Lisk – リスク
- Zcash – ジーキャッシュ
- MONAcoin – モナコイン
- Factom – ファクトム
- COMSA – コムサ
一番有名なビットコインは、今では100万円代の通貨になっており、ビットコインの浮き沈みによって仮想通貨の全体も左右されるのが現状です。
手堅く稼ぎたいのであれば安全なコインを選ぶべきですが、仮想通貨の価値は何倍にも膨れ上がる可能性があります。
安いコインを買っておくのも、一つの手かもしれません。
仮想通貨に関する書籍
仮想通貨についてもっと詳しく知りたい方にオススメの書籍をまとめておきますので、ぜひ参考にしてみてください。