「随息観」とは、息のまにまに、呼吸に意識を向けてただ観察するだけという瞑想法のことです。
「随」とは、「したがう、成り行きに任せる」という意味の言葉ですよね。
ただ呼吸の流れに従い、その様子を観察するんだ。
数息観という「息を数える瞑想法」について以前別の記事で紹介しましたが、その数息観に慣れてきた時に、次のステップとして「随息観」に入っていくとよいでしょう。
随息観瞑想のやり方
随息観のやり方について、説明していきます。
- 椅子に座るもしくは坐を組む。(少しお腹を突き出すイメージで、背筋を伸ばして座る)
- 口を閉じ、顔は正面を向いたまま、前方約1mあたりをぼんやりと見つめる。
- 首筋や肩の力を抜き、リラックスした状態で腹式呼吸で息を整えます。(1分間に4~6回くらいのペース)
- 鼻の入り口や奥で「息の出入り」に意識を向け、じっくりと観察する。
- 呼吸に伴ってお腹がふくらみ、へこんでいく様子も観察する。
- 呼吸から意識がそれた場合、落ち着いて呼吸に意識を戻す。
基本的には数息観と同じですが、カウントはせず、ただ単に「息の出入り」を意識し続けていきます。
空気が流れていく感覚、出入りする息の温度や匂いなど、体への細かな刺激をじっくりと感じていきましょう。
雑念が出てきたら
数息観と同じく、随息観でも大事になってくるのは、「意識が呼吸からそれたら、呼吸へ意識を戻す」ということ。
最初は心配事や不安など、様々な雑念がでてくるでしょう。
湧き出てくる雑念に気がついても、「やばい、雑念だ…」などいうことも考えず、落ち着いて呼吸に意識を戻していきましょう。
大事なのは、意識がそれた時に集中し直す感覚を癖付けることです。
ゆったりとした深い呼吸に心が一体化していき、雑念にとらわれない穏やかな心が養われていきます。
呼吸と心の結びつきにだんだん気づいてくるでしょう。
呼吸のポイント
ゆっくりと呼吸するには、「深く、長く、細く」なるように意識します。
特に、吐く息の深さを意識しましょう。
下腹部の圧力で、胸・腹の中の空気がカラッポになるまで、深く吐きだします。
すると、中の空気を全て吐き出すことで、自然に次の息が入ってきます。
吐く息の方が長く、吸う息は少し短くなるんだね
さらに言うと、むらのない一定な呼吸ができれば尚良しですね。
さらに上級向け:呼吸だけでなく体全体を観察する瞑想法
随息観は、呼吸だけを観察するものでしたが、呼吸による息の出入りから、体全体、感覚器官、心まで意識を広げていく「アナパナサティ瞑想」という瞑想法があります。
これは「サマタ瞑想」とも呼ばれる瞑想法で、「ひたすら集中すること」に重きをおいています。
気になる方はぜひ調べてみてください。
「呼吸そのもの」になっていくような瞑想です。
自分にあった瞑想法を探してみよう
今回紹介した随息観以外にも瞑想法はたくさんあります。
例えば、呼吸に集中するのが難しい人は、歩行瞑想という歩くことに集中する瞑想もあったりします。
瞑想法によって、得られる効果や集中する感覚が違いますので、自分にあったもの瞑想を探してみると良いでしょう。
私は「あなたの心と身体をゆるめる 瞑想メソッド100」という本で面白そうな瞑想法を日々探しています。
歩行瞑想も紹介されているね。
一時的なストレスは呼吸法でも解消できる
一時的なストレスを手軽にすばやく解消するには「タクティカルブリージング」という呼吸法がオススメです。
瞑想はゆったりとした場所でしかできませんが、「タクティカルブリージング」は単なる呼吸法なので、立っていても、歩いていても、どこでも実践できます。