「数息観(すそくかん)」とは、何千年も前から行われている瞑想法のひとつで、文字通り呼吸を数えることで集中力を高めていきます。
誰でも簡単にできる一般的な方法として、仏教を通じて日本に伝わったと言われています。
その他にも、注意力や判断力の向上、リラックス効果などが得られることもわかっています。
瞑想を継続することで不安への耐性も高まるよ。
数息観瞑想のやり方
では、数息観のやり方を説明していきます。
- 少しお腹を突き出すイメージで、背筋を伸ばして座る。(座り方は、あぐらでも、椅子でもいいです。)
- 口を閉じ、顔を正面に向けて、前方約1mあたりをぼんやりと見つめる。
- 首筋や肩の力を抜き、リラックスした状態で腹式呼吸で息を整える。(1分間に4~6回くらいのペース)
- 吐く息を「い〜ち、に〜…」と、ゆっくり数える。
- 10まで息を数えたら、また1へカウントを戻す。
- 意識が呼吸からそれた時は、焦らずに呼吸へ意識を戻し、また1からカウントする。
これを続けていくだけという、凄くシンプルなものです。
目を開けると集中できないんだけど…
慣れるまでは閉じていても大丈夫だよ。
数息観の重要ポイント
数息観で大事なのは、「意識が呼吸からそれたら、呼吸へ意識を戻す」という部分です。
意識が他にそれてもいいのです。
大事なのは、意識がそれないようにすることではなく、意識がそれた時に集中を戻すこと。
これを癖付けることで、普段の生活でストレスを感じたりして集中が途切れてしまった時に、一度呼吸に意識を向けることが習慣となり、心を落ち着かせて一定に保つことができるようになるのです。
数の数え方は決まってない
先程の説明では「吐く息を数える」と述べましたは、実は、呼吸の数え方は自分が数えやすい方法で大丈夫です。
- 吸う時、吐く時で同じ数を数える:「いーち(吸)、いーち(吐)、にー(吸)、にー(吐)…」
- 吸う時、吐く時でカウントを進める:「いーち(吸)、にー(吐)、さーん(吸)、しー(吐)…」
数を数えるという行為は、あくまで呼吸へ意識を向けるためのサポートなので、これといった決まりはありません。
数を増やし続けるという方法もあります。
意識がそれたり、カウントを忘れたり間違ったりしたら1に戻します。
どれだけ集中が続いたかの目安にもなるので、この方法もおすすめです。
続けないと意味がない
瞑想は、毎日コツコツ続けることが何より重要です。
短時間でもいいので、コツコツと継続してみましょう。
5分だけでもいいから、まずは続けてみよう
数息観に慣れてきたら
数息観に慣れてきたら次のステップとして「随息観(ずいそくかん)」にもチャレンジしてみましょう。
数息観は「息を数える」ことに集中しますが、随息観では「息そのものに集中」します。
呼吸による体の刺激・変化を観察するのです。
詳しくは別の記事でまとめているので、ぜひチャレンジしてみてください。
カウントなしだと意外と難しいね…
前半5分を数息観、後半5分を随息観とかにすると初めはやりやすいよ
瞑想法は100個以上もある
今回紹介した数息観や随息観以外にも瞑想法はたくさんあります。
瞑想法によって効果も変わるので、数息観のような簡単な瞑想に慣れてきたら、今の自分に必要な瞑想を探してみると良いでしょう。
私は「あなたの心と身体をゆるめる 瞑想メソッド100」という本で面白そうな瞑想法を日々探しています。(今は歩行瞑想にハマっています)
シャバアーサナ、ヴィパッサナ、へそ呼吸瞑想、笑い瞑想…色々あるんだね。
一時的なストレスは呼吸法で解消できる
瞑想を日々の習慣とすることで、自分をコントロールする力がつくのでストレスや不安に耐性ができていきます。
しかし、生活の中でどうしてもイライラしてしまったり、不安に駆られてしまうこともあるでしょう。
そのような一時的なストレスを手軽にすばやく解消するには「タクティカルブリージング」という呼吸法がオススメです。
瞑想は落ち着いた場所でしかできませんが、この「タクティカルブリージング」は単なる呼吸法なので、立っていても、歩いていても、どこでもできます。
ぜひ活用してみてください。
日々の瞑想によって自分の変化を敏感に感じ取れるようになるので、ストレスを感じたときにすぐに対処できるようにもなります。