たった一度きりの人生、できるだけ後悔したくないですよね。
しかしそのためには、『人は死ぬ時、何を後悔するのか』ということを理解しておく必要があります。
人は『やってしまった後悔』よりも『やらなかった後悔』の方が強く残る。
これは有名な話なので、聞いたことがあるかもしれません。
では、何をやらなかったら、人は一番後悔するのでしょうか。
その答えが研究で少し明らかになったのでご紹介していこうと思います!
一番強く残る後悔は、『理想への後悔』だった
結論から先に述べますと、人が一番後悔することは『理想への後悔』です。
『理想への後悔』って?
もう少し詳しく説明していくね。
トーマス・ギロビッチ氏の研究で判明
『やらなかった後悔』の中でも特に強く後悔してしまうことは何なのか?
それを調べてくれたのが、コーネル大学のトーマス・ギロビッチ先生です。
ギロビッチ先生は『人間この信じやすきもの』という名著を生み出したとても有名な社会心理学者で、実は冒頭で紹介した、「人は『やってしまった後悔』よりも『やらなかった後悔』の方が強く残る。」という有名な話も、この人の名言です。
では、実際にどんな実験が行われたのか、詳しくご説明していきます。
人が何を後悔するのかを調べる実験
参加者は数百人規模のもので、基本的には参加者に質問をしていく内容になります。
① 後悔の種類を2パターンに分ける
まず、研究チームは「後悔」を2パターンに分類しました。
- 理想への後悔
- 義務への後悔
理想への後悔とは
自分が理想とする人間のようになれなかった、やりたいと思ったことに素直に挑戦できなかった、などというパターンの後悔です。
義務への後悔とは
社会的に常識とされるようなやるべきことができなかった、というパターンの後悔です。(「バイトを無断で飛んでしまった」とか「親戚の葬式に行かなかった」とか)
もっとざっくりまとめると、「やりたいこと」をやらなかった後悔と、「やるべきこと」をやらなかった後悔に2分されるということですね
どっちが後悔として強く残るんだろう?
② 実験の参加者にシンプルに問いかけていく
実験の参加者数百人に対し、3パターンの実験を行いました。
1. 「人生で後悔したことは何か」を尋ねる
参加者に「人生で後悔したことは何ですか?」とシンプルな問いを投げかけます。
2. 人生の後悔をリストアップしてもらう
人生の後悔を思いつく限りリストアップしてもらいます。
3. 人生で「1番後悔したこと」は何かを尋ねる
最後に、「最も後悔したこと」の1つだけを絞り出してもらうという方法での質問をします。
すごくシンプルな実験だね
これら後悔の内容を分析し、「理想への後悔」と「義務への後悔」に振り分けていくと、面白いことがわかりました。
結果:『理想への後悔』が圧倒的に強かった
結論からいうと、この研究でわかったことは「理想への後悔の方が強い」ということでした。
もう少し詳しくまとめると、
- 後悔したことの割合で言うと「理想への後悔」が72%、「義務への後悔」が28%
- 人生の後悔をリストアップしてもらうと、「理想への後悔」が半分以上を占める
- 「人生で1番の後悔は何か」を尋ねると、76%が「理想への後悔」
となったそうです。
やるべきことより、やりたいことを優先した方が後悔しにくいんだね
なぜ理想への後悔が多くなるのか?
その答えは「対処のしやすさ」にあると分析されているようです。
義務的なことというのは、何をすればいいのか明確なことが多いです。
一方で、理想を叶えるために必要な行動というのは具体的に見えないですよね。
その結果、多くの人は義務的なタスクばかりをこなしてしまい、理想を追いかけるための行動をつい後回しにしてしまうのです。
トーマス・ギロビッチ先生からのアドバイス
さいごに、ギロビッチ先生からありがたいアドバイスを紹介しておきます。
多くの人々は、理想を追う際につい「ひらめき」を待ってしまいがちだ。
しかし、ひらめきを待つのは言い訳にしかならない。ひらめきは行動からしか生まれないからだ。
答えは「JUST DO IT」しかない。ただ飛び込むのだ。
行動あるのみ、ですね
他人の視線が怖くて行動に出られない人は考えすぎだとも言っています。
他人というのはたいてい私たちが思うよりも優しいし、そもそもこちらが思うほど気にしてもいない。
と。
トーマス・ギロビッチ先生の本
私達は人生で何を優先すべきか。
今回、その道標を示してくださったギロビッチ先生ですが、本も執筆されています。
人間がいかに騙されやすく、信じ込みやすいか。ということを科学的
に解説してくれている、とても面白い本ですよ。