人を動かす文章・キャッチコピーとはどういうものなのか?どんな特徴を持っているのか?
その答えは、ジョン・ケープルズさんが著書『ザ・コピーライティング』の中で示してくれていました。
数多のキャッチコピーを調べ尽くすことで、効果的なコピーライティング・キャッチコピーが持つ特徴がいくつか見えてきたのです。
その中でも特に重要な5つの特徴について、今回はお話していきます。
コピーライティング、つまり『言葉のテクニック』を学ぶことで、
- 自分の商品を売りたい
- 相手を惹き込むような話し方がしたい
- 目が話せなくなるような文章を書きたい
というようなあらゆる場面で役に立つでしょう。是非、身につけておきたいスキルですよね。
ということで、今回は以下の点についてまとめていこうと思います。
- コピーライティングに必要不可欠な5つの要素とは
- その5つの要素を使って、何に対してアピールすればいいか。
ぜひ一緒に学んでいきましょう。
コピーライティング・キャッチコピーに必要な5つの要素
ジョン・ケープルズさんが教えてくれる、コピーライティング・キャッチコピーに必要な5つの要素について、先にまとめていきます。
- 得になること
- 新情報
- 好奇心を煽る
- 手軽さ
- 信憑性
見出しであれば、①〜③のどれかを最低限満たすようにし、できれば複数の要素を組み合わせます。
本文中では、できるだけすべてを満たせるような文章を構築するように心がけましょう。
① 得になること
「あなたがどれくらい得をするのか」ということをアピールすること。これは絶対に意識しましょう。
どうでもいい情報をペラペラ喋る前に、こちらの提案によって相手にどのような得があるのかを第一に伝える必要があります。
更に言うと、メリットよりも『ベネフィット』を伝えることが重要です。
例えば、新機種のスマホを売り出す時に、カメラの画質が良くなった点をアピールしたいとします。
この時、単に「カメラの画質がいいんです!」というメリットだけを伝えるのは甘いです。
デジカメ並みの高画質なので、もう重たいカメラを持ち運ぶ必要はないんです
という風に、『画質がよくなった』ことで、『重たいカメラを持たなくても良い』という恩恵が得られることを伝えましょう。
ただし、どのようなベネフィットをアピールすべきかは、相手によって変わってきます。
子連れのお父さんにアピールするのであれば、
このスマホ一つあれば、子供の成長をキレイに記録できますよ。ちょっと他よりも高い機種にはなりますが、将来運動会などのために新しくカメラを買い直すことを考えれば、断然お得ですよ。
のように、『子どもの成長をキレイに記録できること』・『どうせ必要になってくるであろう高いカメラを買う必要がなくなること』を伝えることができるでしょう。
どのようにしてベネフィットを見つけていくかについては、「コピーライティングの基礎についての記事」で紹介していますので、是非参考にしてみてください。
② 新情報
人間は、新しいものや聞いたことのないものに反応する性質を持っています。
この要素がないと、飽きられ、キャッチコピーが読まれなくなってしまいます。
つまり、行動にもつなげることはできません。
- これまでに比べてどう違うのか?
- 何が新しくなったのか?
- 何ができるようになったのか?
まだ聞いたことのない『新情報』を伝えるようにしましょう。
例えば、実際に以下のような広告がありました。
お知らせします、在宅ワークで稼ぐ新しい仕組み
シンプルですが、『新情報』があることと、『得になる』ということがどちらも伝わってきますよね。
実際に、この広告は見事な成果をもたらしたそうです。
③ 好奇心を煽る
『煽り』というと良くないイメージがあるかもしれませんが、「誰でも簡単!一瞬で1000万円稼ぐ!」のような怪しい煽りのことではありません。
「好奇心を掻き立てるような言い回しに少しだけ変える」ということが重要です。
例えば、『こうしてハゲにならずにすみました。』という育毛剤のキャッチコピーを次のように少しだけ変えたことで効果がかなり上がったそうです。
こんなちょっと変わった方法で、ハゲにならずにすみました。
“ちょっと変わった方法” ?
なんだか気になっちゃうよね。
こういったほんの少しの言葉の違いで、見た人の心の揺れ動き方は変わってくるのです。
④ 手軽さ
手軽で簡単に、欲しいものをゲットできるということをアピールしましょう。
実際にあった広告では、以下のようなものがあります。
私に5日ください。魅力的な性格に変えてみせます –– 無料でお試し
魅力的な性格に変わることができるという『得になる』ということをベースにしつつ、たった5日、しかも無料という『手軽さ』が読み取れます。
また、例えば HIIT(高強度インターバルトレーニング)についてのブログを書くとすると、
その記事のタイトルは「モテる体を手に入れるトレーニング方法」ではなく、「1日たった4分でモテる体型を作るには?」としたほうが圧倒的に読みたくなりますよね。(実際、HIITは4分程度のトレーニングです)
これは、実際にメンタリストのDaigoさんが動画のタイトルに使っているよ。
⑤ 信憑性
数字やデータ、根拠を提示し、信憑性・信頼性を必ずアピールするようにしましょう。
もし①〜④の要素だけを組み合わせると…
とってもお得な新情報!予想外の方法なのに、超簡単!
…あやしい。笑
だよね。笑
だからこそ、この5つ目の要素がとても重要なんだ。
特に、④の『手軽さ』をアピールしている場合はこの『信憑性』が必須になってきます。
- ちゃんとした研究者データ
- 数字で確認できる実績
- 有名人による推薦文
などをアピールし、「たしかにこれだったら大丈夫そうだな」と相手を安心させましょう。
短い見出しの中で手軽さをアピールするのであれば、できるだけ具体的な数字を入れるべきだと、ジョン・ケープルズさんは本の中で説明しています。
例えば、かなりの効果のあった見出しの実例として、次のようなものがあります。
賭けたのは切手代
2年後に3万5,840ドル儲けました
(切手代とは自己啓発講座の無料パンフレットの郵送料のこと。)
これがもし「切手代を賭けただけで大金持ちにりました」だと、胡散臭さが半端ないですよね。
『2年後』に『3万5,840ドル』という具体的な数字を出すことで、信憑性もアピールしているのです。
訴求ポイントは1つに絞る
さて、ここまでコピーライティングにとって大切な5つの要素について紹介してきました。
しかしこの知識だけでは良いコピーは作れません。
最後に重要になってくるのは、「どの訴求ポイントに対してコピーを作るか」ということです。
例えば運動することのメリットを考えた時、
痩せるし、健康にいいし、集中力もつくし、体力もつくし…と、たくさんのメリットが思い浮かんで来ますが、これらすべてをアピールしてしまうと、結局何を一番伝えたいのかがぼやけてしまいます。
何をアピールするのか、どれか一つのポイントに絞ることがとても大切なのです。
その1点の訴求ポイントに対して、5つの要素を活用するようにしましょう。
いわゆる、「ワンメッセージ・ワンアウトカム」というやつだね
そうそう、「1つのメッセージで、1つの行動へ誘導しましょう」ってこと。
人が反応しやすい訴求ポイントとは
では、何に対してアピールするのがよいのでしょうか。
人が反応しやすい訴求ポイントについても知っておきましょう。
性
性に関するアピールは、非常に行動につながりやすいことがわかっています。
肉体行為だけでなく、愛情・好意・友情も含みます。
欲望
物欲・食欲・お金など、人間の根本的な欲望に対してのアピールも効果が高いです。
特に「お金を稼げるかも」というアピールは非常に効果的です。
例えば、1980年代のビジネス書出版社のとあるキャンペーンで、一番効果的だった訴求は「収入アップにつながる8冊」だったのだとか。(「収入がアップする」ではなく、「収入アップにつながる」というのがポイント。)
不安
今あるものを失う不安や、欲しいものが得られないことへの不安です。
「このままだとやばいですよ」という脅しだけではなく、「根拠があってその解決法を提示しますよ」という風にアピールするとよいでしょう。
解決策を少しチラ見せするのが効果的です。安心感を与えた上で、さらに安心を得ることができる「詳細はこちら」ボタンなどへ誘導しましょう。
自尊心・義務感・プロ意識
ビジネスマンに靴を売るための「できる男や成功している社長は靴を見る。だから靴は良いものを買いましょう」という謳い文句はこれに当てはまります。
主婦層に向けた商品などもこれらの訴求ポイントは効果的です。
例えば、『ホイコーローのタレ』のような野菜や肉は自分で追加して炒めないといけないもの。
一発でホイコーローができるような商品も作れるが、それは売れないのです。
「もちろんラクはしたい。けれど完全レトルトやチンするだけの冷凍食品はちょっと…」
という主婦の自尊心をうまく利用し、あえてひと手間かける商品の方が、売れるのです。
買い手にとって1番いいことに焦点をあてる
広告が失敗する例で一番多いのは、自社の業績をアピールすることに頭がいっぱいで、消費者がその商品を買ったほうがいい理由を伝えていないことなんだとか。
売り手にとって一番大事なことより、買い手にとって一番いいことに焦点を当ててアピールしましょう。
まとめ
さいごに、ここまでの話をまとめておきます。
- コピーライティングには5つの要素を意識する
- 得になること
- 新情報
- 好奇心を煽る
- 手軽さ
- 信憑性
- 訴求ポイントは1つに絞る
- 効果的な訴求ポイントは4つ
- 性
- 欲望
- 不安
- 自尊心・義務感・プロ意識
- 買い手にとって一番いいことをアピールする
参考文献
今回の内容のほとんどは、ジョン・ケープルズさんの著書『ザ・コピーライティング――心の琴線にふれる言葉の法則』に書かれているもので、400ページ以上のうちのたった数ページで書かれている内容です。
たった3000円ちょっとで、コピーライティングの基礎から応用まで全て学べる最高の一冊です。
ただ知識を書いているだけじゃなく、効果のあった広告・失敗した広告の実例もたくさん載っているのがありがたいね。