年齢は関係ない!?記憶力低下の原因はただの思い込みだった!

「年をとれば、記憶力が衰える。」
というのはよく聞く話で、実際、多くの方がそのことを実感しているのではないでしょうか。

  • 最近物忘れが多くなった気がする….。
  • あれ?今何しようとしたんだっけ…。
  • 昨日見たあれ、なんだったかな、ほら、あの…。

ということがあれば、「やっぱ歳だなぁ〜」なんて思っていませんか?

それ、誤解ですよ!

記憶力が低下する原因はただの思い込みです!年齢は関係ないのです!

ねこた

え〜、でも実際、年齢を重ねるごとに記憶力が悪くなってる気がするけどなぁ。

くまやま

だからその「年齢のせい」という思い込みが、実際に記憶力を低下させているって話さ…。笑

ねこた

ん〜、本当かなぁ?

今回お伝えしたいのは「年をとって記憶力が低下するのは思い込みのせい」ということで完結してしまっているのですが、「そんな事言われてもまだ信じられない!」という人に向けて、ここからはお話していこうと思います!

  • 思い込みで記憶力が低下すること証明した研究
  • 実際、年をとると脳細胞の数は減るの?減らないの?
  • 思い込みがもたらすメリットも少しだけある

という内容について、詳しく説明していきますね。

目次

年齢で記憶力が低下するのは、思い込みが原因だった

米タフツ大学のアヤナ・トーマス博士が2011年に発表した論文「Reducing the Burden of Stereotype Threat Eliminates Age Differences in Memory Distortion」によって、年齢で記憶力が低下する原因はただの「思い込み」なのではないかということが分かっています。

この論文に書かれている実験では、18~22歳の若者と60~74歳の年配者を64人集めて、記憶力テストを行いました。

記憶力テストの方法は至ってシンプルで、

  1. たくさんの単語が書かれたリストを見せ、記憶してもらう。
  2. 別の単語リストを見せ、前の単語リストにも含まれていた単語を言い当ててもらう。

というものです。

どれだけ単語を記憶できるかという単純な記憶テストですね。

実験A

この記憶力テストは通常、高齢者の方が成績は悪くなります」という説明をしてから、記憶力テストを行ってもらいました。

すると、この実験Aでの正答率は、

  • 若者グループ:48%
  • 年配者グループ:29%

となり、明らかに年配者のほうが成績が悪かったのです。

ねこた

え!やっぱり記憶力と年齢は関係あるじゃないか!

くまやま

まぁまぁ、落ち着いて。面白いのは次の実験さ。

実験B

別グループにも全く同じテストを行ってもらいました。
ただし、「記憶力テスト」だとは伝えず、「これはただの心理学の実験です」と説明をしてから実験を行いました。

すると、テストの内容はまったく同じなのに、驚くべき結果になったのです。

  • 若者グループの正答率:49%
  • 年配者グループの正答率:50%

なんと、年配者グループの正答率が大幅にアップし、若者との差がなくなったのです。

実験Aと実験Bの違いをおさらいしておくと、

  • 実験A:「記憶力テスト」としてテストを実施。この時、「高齢者の方が点数が低くなる」と伝えた。
  • 実験B:「ただの心理学の実験」として全く同じテストを実施。年齢や記憶に関しては何も言及しなかった

つまり、

「年をとると記憶力が低下する」という思い込みさえ排除すれば、記憶力は若者と変わらない

ということが分かったのです。

「最近物忘れが多いなぁ、やっぱり年だなぁ」と考えてしまうその思い込みこそ、自分の記憶力を低下させていく原因なのです。

くまやま

あなたも、自分自身で記憶力を低下させてしまっているかもしれません。

脳科学的に見ても、脳細胞は減っていない

「年をとると脳細胞は死滅していく」なんて思っている人も多いかもしれません。

しかしこれは大きな間違いで、3才〜7才までの間の「間引き減少」を除けば、脳細胞が年齢で減少することはありません。

むしろ、2018年のコロンビア大学の研究によると、年齢に関わらず脳の神経細胞であるニューロンが増加していくことが分かっています。

このことからも分かるように、老いによって記憶力が衰えるというのは、ただの思い込みだったのです。

「年齢によって記憶力低下」の思い込みにはメリットもある…?

ちらっと見つけた2013年のこの研究によると、

「年齢によって記憶力が低下する」という思い込みを持っている高齢者の方が、「記憶の間違い」が少なかったと発表しているようです。

以下、論文の結論部分を引用させていただくと、

In summary, although previous research has shown that stereotype threat impairs memory performance in older adults, the current research suggests that it also serves some benefits. Stereotype threat can decrease false memories in older adults, …

論文:「Stereotype threat can reduce older adults’ memory errors.」

参考までにGoogle翻訳で日本語するといかのようになります。

要約すると、以前の研究では、ステレオタイプの脅威が高齢者の記憶能力を低下させることが示されていましたが、現在の研究ではそれがいくつかの利点をもたらすことも示唆しています。 ステレオタイプの脅威は高齢者の誤った記憶を減らすことができます、…

Google翻訳

記憶できる量はたしかに思い込みによって少なくなるけれど、間違って記憶してしまった数は思い込みがある方が少なかったという実験結果だったようです。

(この論文詳しく読める人いたらぜひTwitterから教えてください…!)

まとめ:思い込みをなくして記憶力低下を防ごう

今回の話をまとめておきます。

  • 年齢で記憶力が低下するのは、思い込みが原因
  • 脳科学的にも、脳細胞は減ってない(むしろニューロンは増え続ける)
  • ただし、思い込みがある方が「記憶違い」は少なくなるかもしれない
くまやま

私は100歳になっても脳を進化させ続けますよー!

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