行動を習慣化するのは非常に大変です。
- やると決めたのに、続かない。
- やりたいことがあるのに、ついサボってしまう。
このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、行動を継続しやすくするための心理学的なテクニック、『ハビットチェーン (Habit Chain)』というものをご紹介します。
誰にでも簡単にできる継続のコツを知ることで、きっとあなたも三日坊主を脱却できるでしょう。
私も、ブログが毎日更新できるようになりました!
ハビットチェーン(Habit Chain)とは、行動の鎖をつなげること。
『ハビットチェーン(Habit Chain)』とは、習慣を身に付けるためには「行動の鎖をつないでいくことだけを意識する」ことが重要だという考え方です。
「やろうとする」ことよりも、行動の継続を「途切れさせない」ことだけに集中する。
というと分かりやすいでしょうか。
行動がどれだけ継続できているかを毎日記録することで、その積み重ねが崩壊するのを「もったいない」と自分に思わせていくのです。
カレンダーに印をつけていくやつかい?
そうそう。いわゆる『サインフェルド・メソッド』としても知られている習慣化テクニックだね。
サインフェルド・メソッドとは
ジェリー・サインフェルドというアメリカのコメディアン俳優が、常に面白いネタを作り続けるために実践していた方法のことです。
その方法というのが、決して途切れることなく、毎日ネタを書き続けるというものです。
「その日のジョークを書くたびに、その日に大きな「☓」を書き込む。数日するとそれは一つの鎖になる。鎖をそのまま続ければ、どんどんと長くなる。数週間もすれば、鎖を見るのが楽しくなる。次の仕事は、鎖を断ち切らないことだ。」
365日の習慣の鎖を作るサインフェルド・メソッド
と彼は説明したそうです。
これが「鎖をつないでいく」ということなんだ。
あとはその鎖を断ち切らないようにするだけなんだね
なぜ人は継続をやめてしまうのか
継続できない主な原因はやる気がでないからです。
では、なぜやる気が出なくなってしまうのでしょうか?
それは、飽きるからです。
同じことをやっていると、飽きますよね。
そして、飽きるとやる気がでないのは、どうしようもないことなのです。
つまりどういうことかと言うと、
継続に大事なのは「やる気」に頼らないこと。
「やるぞ!」と意気込むだけでは、どうしても途中でやる気がでてこなくなってしまい、やめてしまうのです。
「やる気」に頼らず、「もったいない」という気持ちを作る
せっかくここまで続けてきたんだから、ここで記録が途切れるのはもったいないな
と自分に思わせることで、やる気に左右されずに継続できるようになります。
例えば、先ほど紹介したサインフェルド氏の場合、カレンダーに毎日☓印をつけていくことで、今までどれだけ継続してきたかが一目瞭然になります。
「どれだけ継続できているかを可視化する」ことで、その継続が途切れてしまうことを「もったいない」と思えるようにするのです。
人は積み上げたものを失うことを嫌う
人は、何かを得た時のプラスの感情より、同じ量でもそれを失った時のマイナスの感情の方が大きくなることが分かっています。
そのため、利益を得ることよりも、損失を回避することに重きをおいてしまいます。
これを『損失回避の法則』と言います。
この心理法則をうまく使おうというのがハビットチェーンなのです。
ハビットチェーンの具体例
そろそろいくつか具体例を出しておこうかな。
例1:カレンダーに印をつける
これは、すでに紹介しているサインフェルド氏の手法と同じものですね。
☓印じゃなくても、「シールを貼る」などでもいいです。
例2:グラフにする
習慣化したい行動が、量を伴うものであればグラフにしてもいいでしょう。
何時間できたか、何回できたかを毎日記録し、グラフにするのです。
この時のポイントは、累積型のグラフにすることです。
- 左のグラフは、その日の量を記録していくだけです。これだと「今日は少なかったな…」という感情に飲み込まれやすくなってしまいます。
- 対して右のグラフは、これまでの累積量を記録したものです。これだと、常にグラフは右肩上がりになるので「ちょっと少なかったけど、今日も積み重ねたぞ」という満足感が強くなります。
例3:SNSで発信する
何日継続できているかをSNSで毎日発信します。
SNSで発信することで、「継続できなかったらみんなにバレる!」という羞恥心も味方につけることができます。
くまやま氏もこれやってるよね。
うん!ブログを何日更新できているか、Twitterで毎日発信しているよ。
もし継続が途切れてしまったら
がんばっていても、継続が途切れてしまうこともあると思います。
そんな時に「全て台無しだ…もう諦めよう…」となってしまっては意味がありません。
それ避けるためには「失敗から何回立ち直ったか」も記録するのが大事です。
「続いた数 + 現在の挑戦回数」を記録する(見てわかる)ようにしておきましょう。
SNSでの発信であれば、「◯度目の挑戦!△日継続中です!」のようにしてもう一度発信を再開すると良いと思います。
カレンダーへの記録であれば、以下のように色も変えてみると心機一転もできていいかもしれません。
おわりに
実は、人が行動を習慣化するのには、最低でも66日かかるということが分かっています。
行動を継続するというのは、非常に難しいことなのです。
まずはそれを理解し、無理のない範囲で「鎖が途切れないようにつなげること」だけを意識してみてください。
より継続しやすくするには
今回紹介したハビットチェーンに加えて、私が取り入れている手法があります。
それは「朝のうちにその日の行動を書き出しておくこと」です。
これは、「次は何をしようかなぁ」という選択の余地を排除することで、「やっぱりやらない」という選択を自分にさせないというテクニックです。
この作業自体も、習慣にしないとサボってしまうのでは?
うん、その通り。毎朝のプランニングに関しては、手帳アプリに毎日その内容を入力していくことでハビットチェーンにしているよ。
その他にも、これまであまりやってこなかったことを習慣化させるには、スモールステップから始める『シェイピング法』というテクニックもかなり強力です。
参考文献・参考動画
- 94の研究によって証明された最強の習慣作りテク (Daigoさんのニコニコ有料放送)
- 365日の習慣の鎖を作るサインフェルド・メソッド – Lifehacking.jp
- 習慣化に成功した時には「ハビットチェーン」を使っていた事に気づいた – アルパカイゼン